MEETING SUMMARY / RESPONSIBILITY MAP
今回の一件について、あいこさん側に手続き上の落ち度はありません。突発的に生じた場面で独断で進めず、主催者へ即時に報告し、NGの可否を仰いでいます。これは委託を受けた運営側がとるべき対応そのものです。
問題は個々のやりとりではなく、「決定権を持たない側に、責任だけが集まる」座組みの構造にあります。同じ構造が過去の案件(資金・取り分をめぐる揉めごと)でも繰り返されており、今回はそれが最も分かりやすい形で表面化した、と整理できます。
依頼が増えたこと自体は成果ですが、受注の型に共通したリスクが埋め込まれています。
| 依頼の型 | 依頼側の状態 | いま握れていること | 抜け落ちる論点 |
|---|---|---|---|
| 丸投げ型 | 「よく分からないから、何か好きなことをやってほしい」 | 企画書・紙面で、できること/危険がないか/NGがないかはすり合わせ済み | 金額の原資(誰の予算がいくらあるのか)、売上の配分 |
| 見積り後の後出し型 | 相手も何も分からないまま合意している | 「これだけあれば大丈夫です」という必要額は伝達済み | 相手が自分たちの売上分をもっと取りたいと後から主張し、揉める |
| 人ありき型 | 「応援している子を輝かせたい」という私的な動機が起点 | 企画意図・座組みの合意 | その人物の出欠・体調・責任範囲を誰が管理するのか |
紙面で詰めているのは「内容のリスク」(何をやるか、危険はないか、NGは何か)であり、揉めているのは毎回「お金と権限のリスク」(原資はいくらか、誰が決めるか、揉めたとき誰が被るか)です。詰める場所と揉める場所がずれています。
企画:12月に、幕末に鉄砲を手に戦い「幕末のジャンヌ・ダルク」と呼ばれた女性の物語※を上演してほしい、という依頼。
依頼の動機:主催者が応援しているアイドルの女性たちがいて、その子たちが輝く形でやってほしい。
座組み:運営についてはあいこさん側が担う前提で合流。
| 当事者 | とった行動 | 本来負うべき責任 | 評価 |
|---|---|---|---|
| あいこさん 運営受託者 |
同席が発生した時点で独断で進めず、主催者へ即時報告し可否を確認。NGなら解散すると明言。 | 進行の管理、突発事象の報告・確認、主催者の意向の反映 | 責任を果たしている 報告のタイミング・内容ともに適切。落ち度なし。 |
| 主催者 発注・決定権者 |
意図を誤解したまま叱責。釈明を受け入れず、「降りる」と表明。 | 企画の最終意思決定、原資の確保、確認に対する可否の回答 | 責任の放棄にあたる 確認に「可否」で答えるべき場面で、感情と降板をもって応じている。決定権者としての機能不全。 |
| 脚本家 | 同席の場で「話をしたい」と申し出た。 | 脚本の制作。座組みの段取りに対する責任は負わない | 責任の対象外 創作者として自然な申し出であり、問題行動ではない。 |
| アイドルの出演者 | 体調不良で不参加、のち閉店間際に謝罪来店。 | 自身の出欠・体調の申告 | 責任を負わせる相手ではない 出演者であり、座組みの責任主体ではない。管理責任は主催者・運営側にある。 |
あいこさんは「報告した」ことで叱責されています。しかし報告をしなければ「勝手に進めた」と言われる場面であり、どちらに転んでも責められる設計になっています。これは個人の段取りの問題ではなく、合意されたルールが存在しないことそのものが原因です。ルールがないため、事後に主催者の主観が「順序」として遡って適用されました。
「よく分からないから任せる」という依頼は、一見すると裁量の委譲に見えますが、実態は違います。渡されているのは責任であって、権限と原資は渡されていません。そのため、うまくいけば主催者の成果、揉めれば運営側の落ち度、という非対称が生まれます。
ご本人も「面白そうだから一緒にやりたい、という入り方の相手ほど、責任の所在を押し付けられることが重なっている」と認識されており、味方のスタッフからも同じ指摘を受けているとのことです。主観ではなく、外から見ても同じ構造が見えているという点は重要です。
今後の座組みでは、以下を着手前に文書で確定させることを推奨します。「実態」列が、現在ずれている箇所です。
| 項目 | 決める人 | 実行する人 | 費用を負担する人 | 現在の実態 |
|---|---|---|---|---|
| 企画・演出の内容 | 主催者(承認) | あいこさん | 主催者 | 概ね機能 |
| キャスティング | 主催者 | あいこさん | 主催者 | 動機が私的で、基準が不明 |
| 予算・原資の確保 | 主催者 | 主催者 | 主催者 | 未確定のまま着手している |
| 売上の配分 | 双方の合意 | — | — | 事後に主張が変わる |
| 出演者の出欠・体調管理 | 主催者 | あいこさん | — | 運営側に流れている |
| 突発時の連絡と判断 | 主催者 | あいこさん | — | 基準がなく事後に責められる |
| 中止・降板の判断 | 双方の合意 | — | 違約側 | 一方が随時「降りる」と言える |
すでに「あらためて企画の話をしたい」と連絡済みです。その場で確認すべきは、謝罪でも釈明でもなく、続行の条件です。
現在の企画書は「何をやるか・危険はないか・NGは何か」で完成度が高い一方、原資・配分・決定者・降板条項が入っていません。1ページ追加するだけで、揉めごとの大半は事前に潰せます。
今回、主催者にとっての「順序」は暗黙のNGでした。こちらが聞くのではなく、相手に禁止事項を列挙してもらう形にすると、暗黙の期待が事前に表面化します。
「任せる」と言われた時点で、何をどこまで自分の判断で決めてよいのかを確認する。権限のない責任は引き受けない、という線引きが必要です。
共同代表の離脱以降、意思決定も実務も一人で担っています。責任が集まりやすい構造そのものが、体制上のリスクでもあります。